今月の主題 皮膚科から内科医へのアドバイス
内科医が知っておきたい皮膚疾患
皮膚T細胞性リンパ腫—菌状息肉症とSézary症候群を中心にして
岩月 啓氏
1
1福島県立医科大学皮膚科
pp.709-711
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905055
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ポイント
●皮膚の末梢性T細胞性リンパ腫の代表格である菌状息肉症とSézary症候群では,脳回転状核を持つCD4陽性T細胞が表皮親和性をもって増殖するのが特徴である.
●普通,菌状息肉症は紅斑期に始まり,10〜20年かけて扁平浸潤期,腫瘍期を経て内臓浸潤期へと進行する.
●Sézary症候群は,紅皮症,T細胞の白血化とリンパ節腫脹を特徴とする.
●菌状息肉症とSézary症候群はcutaneous T-cell lymphoma(CTCL)とも呼ばれ,病因として,経表皮的な持続的抗原刺激やHTLV(ヒトT細胞白血病ウイルス)-1類似のウイルス感染が示唆されている.
●EBウイルスの持続感染が病因と思われる皮膚T細胞ないしNK細胞リンパ腫は,しばしばhemophagocytic syndromeやKi-1(CD30)陽性を示す.
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