Japanese
English
綜説
皮疹を伴うT-リンパ球増殖性疾患—Sezary症候群とその周辺
T-LYMPHOCYTE PROLIFERATIVE DISORDERS WITH CUTANEOUS ERUPTIONS : SEZARY'S SYNDROME AND IT'S RELATED DISEASES
笹岡 和夫
1
,
上平 憲
2
,
野中 美紀
2
,
松永 マサ子
2
,
高橋 勇
3
,
阿南 貞雄
3
,
山浦 英明
3
,
穐山 富雄
3
Kazuo SASAOKA
1
,
Simeru KAMIHIRA
2
,
Miki NONAKA
2
,
Masako MATSUNAGA
2
,
Isamu TAKAHASHI
3
,
Sadao ANAN
3
,
Hideaki YAMAURA
3
,
Tomio AKIYAMA
3
1長崎市立市民病院皮膚科
2長崎大学医学部原爆研究所内科
3長崎大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Nagasaki City Hospital
2Department of Hematology, Atomic Disease Institute, Nagasaki University School of Medicine
3Department of Dermatology, Nagasaki University School of Medicine
pp.869-876
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201812
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
従来,リンパ細網系細胞の腫瘍性増殖疾患には,腫瘍細胞の細胞形態にもとづいた病理組織学的分類がなされ,これがそのまま臨床疾患名として使用されてきた.近年になり,リンパ球には,その起源,細胞膜抗原と表面形質および機能面から,T—リンパ球(胸腺由来リンパ球:T-cell)と,B—リンパ球(骨髄ないしBursa由来リンパ球:B-cell)の2つのpopulationが存在することが明らかになり,これらを同定する方法も開発されるようになつた1〜4).
このT-cell, B-cellの概念は,ヒトの腫瘍,とりわけリンパ系細胞の増殖性疾患にも適応され,腫瘍細胞のsurface markerによる解析が行われるようになつた結果,従来組織学的所見からのみなされていたリンパ細網系腫瘍の分類についても,発生学的,機能的見地からの新しい分類(T—cell, B—cellによる分類)19)が試みられてきている.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.