Japanese
English
原著
第2肋間神経より発生した悪性神経鞘腫(Malignant Schwannoma)を伴つたvon Recklinghausen病の1例
A CASE OF von RECKLINGHAUSEN'S DISEASE WITH MALIGNANT SCHWANNOMA ORIGINATED FROM SECOND INTERCOSTAL NERVE
立花 久大
1
,
関 隆郎
1
,
奈良 昌治
1
,
吉沢 繁男
1
,
小野 康平
1
,
鈴木 慶二
2
Hisao TACHIBANA
1
,
Takao SEKI
1
,
Masaharu NARA
1
,
Sigeo YOSHIZAWA
1
,
Kohei ONO
1
,
Keiji SUZUKI
2
1足利赤十字病院内科
2群馬大学医学部第2病理
1Department of Internal Medicine, Ashikaga Red Cross Hospital
2Second Department of Pathology, Gunma University School of Medicine
pp.237-240
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201713
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von Recklinghausen病は比較的良性の疾患とされているが,時には悪性化を示す例もある.症例は51歳の男性で,20歳頃皮膚腫瘤,褐色の色素斑出現.昭和50年8月頃より体動時左胸部,左背部に疼痛出現.同年12月11日本院内科受診し,胸部レ線写真にて,基底部を胸壁に接する半球状の異常陰影を指摘され入院となつた.胸壁腫瘤の一部摘出にて,腫瘤は左側胸壁第2肋間神経より発生し,胸腔内へ突出したものと考えられ,組織学的には悪性神経鞘腫(Malignant Schwannoma)の像を呈していた.von Recklinghausen病腫瘤の多くは神経線維腫であり,神経鞘腫の場合は少ない.従つて悪性化を示す場合は神経線維肉腫(Neurofibrosarcoma)になることが多く悪性神経鞘腫を伴つたとの報告は稀である.さらにvon Recklinghausen病の部分症として,このような部位に発生した悪性神経鞘腫は文献上きわめて稀であるので報告した.
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