印象記
第28回西日本連合地方会に参加して
森岡 貞雄
1
1日本大学医学部皮膚科教室
pp.242-243
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201714
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去る11月20日,21日の両日にわたり九州大学温泉治療学研究所中溝慶生教授会長のもとに第28回日本皮膚科学会西日本連合地方会が別府市において挙行された.本年掉尾を飾る大会であり,場所も風光明媚な別府市で行なわれたことと,実はそれ以上に中溝会長の絶大な人気に拠る所が大であつたためと考えるが,きわめて盛大且つ学問的に収穫の多い学会であつた.
学会は会長のプレジデンシャル・アドレス,招請講演,それに教育的意味をもつ検査法に関する3つの分野にわたる一種のシンポジウムのほか94題にのぼる一般演題,スライド供覧が2日間,2会場に分れて催され,終始真摯な討論が行なわれた.第1日午前にもたれた招請講演はTaiwanのC.K. Wong教授がcutaneous amyloidosisについて多数のスライドを用いて各タイプの症例を示され,またアミロイドの組織化学的同定法について触れられ,BBU (2)で染色,螢光顕微鏡にて観察することがもつとも確実であり,また保存の点からも秀れていることを述べられたが,このことは実際診療にたずさわる者にとつて大変貴重なsuggestionであつた.招請講演者に東南アジアに属する国の皮膚科学者が選ばれたのは今回がはじめてのことと思うが,膚皮科学の分野において東南アジア諸国との交流がこのような形で行なわれることは大変喜ばしいことであり,今後益々こうした交流がさかんになることを望んで止まない.今回こうした企画をされた中溝会長ならびに学会の運営に当られた方々に敬意を表する次第である.
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