Japanese
English
症例報告
鎧状癌の1例—症例報告と本邦例集計
A Case of Cancer en Cuirasse
高木 由紀
1
,
森永 眞
1
,
尾口 基
1
,
朝田 康夫
1
Yuki TAKAGI
1
,
Makoto MORINAGA
1
,
Motoi OGUCHI
1
,
Yasuo ASADA
1
1関西医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kansai Medical University
キーワード:
転移性皮膚癌
,
鎧状癌
,
本邦例集計
Keyword:
転移性皮膚癌
,
鎧状癌
,
本邦例集計
pp.713-717
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900135
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肺癌よりの皮膚転移で,その特異な臨床像から鎧状癌と考えられた症例を報告した.64歳,男性,昭和62年10月中旬より右前胸部に発赤を伴う境界不鮮明な板状の硬結が出現し,漸次拡大し表面は凹凸不整であたかも鎧を着たような外観を呈していた.病理組織像にて真皮内に膠原線維の増生,脈管内の腫瘍細胞による塞栓や腫瘍細胞が集塊をなしたり,また膠原線維間に腫瘍細胞が一列索状に並ぶ,いわゆる“like Indians in a file”と呼ばれる所見等を認めた.臨床像,組織像より転移性皮膚癌で鎧状癌と診断された.なお原発病巣は胸部X線像,喀痰検査などより肺癌と考えられ,これは病理解剖により確認された.自験の1例を報告するとともに鎧状癌の本邦報告例を収集し,その16例について,性別,年齢,発生部位,原発巣,臨床所見,組織所見,皮膚転移後の生命予後などを検討した.
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