Japanese
English
原著
Rothmund-Thomson Syndromeの1例
A CASE OF ROTHMUND-THOMSON SYNDROME
五十嵐 稔
1
,
佐藤 昭彦
1
,
加藤 泰三
1
Minoru IGARASHI
1
,
Akihiko SATO
1
,
Taizo KATO
1
1東北大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.685-690
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201471
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種々の先天異常(屈指症・斜指症・骨喩合,受け口,小躯・小足)を伴つたRo—thmund-Thomson Syndromeの1例を経験した.皮膚の臨床像については,毛細血管拡張性紅斑・皮膚萎縮・色素沈着を主徴とする定型的なreticulated patternを呈したが,臨床検査成績では血小板数・LDHに異常を認めたにすぎない.病理組織学的検査では,角質増殖・表皮萎縮がみられたに止まり,表皮・真皮間結合の不安定性といつた所見はみられなかつた.免疫学的検索では,ツ反陰性・DNCB皮膚反応陰性・PHA添加リンパ球幼若化現象59%,血中リンパ球のsubpopulationにてB Cell 40.0%等の所見を得た.これのみで本症の発生機序を説明するには不充分であるが,今後の体液性並びに細胞性免疫機構に関しより詳細な検討が待たれるところである.
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