Japanese
English
原著
硬化性萎縮性苔癬を伴なつた外陰癌
GENITAL CANCER ASSOCIATED WITH LICHEN SCLEROSUS ET ATROPHICUS
岸本 三郎
1
,
上田 恵一
1
,
松木 正義
1
Saburo KISHIMOTO
1
,
Keiichi UYEDA
1
,
Masayoshi MATSUKI
1
1京都府立医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.677-684
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201470
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81歳女子の外陰に硬化性萎縮性苔癬に続発したと思われる癌の1例を報告した.腫瘍の光顕・電顕組織像は典型的な有棘細胞癌(Broders 1度)であつた.腫瘍周囲の白斑では,組織学的に硬化性萎縮性苔癬像の部位とロイコプラキー様所見の部位があり,それらの関係は概して腫瘍に近づくほどロイコプラキー様所見の部位が多かつた.同時に同部の電顕的所見を検索し,有棘層ケラチノサイトにおいて核の異常を伴つた細胞があり,真皮上層部では,不定形物の間にコラーゲン線維が介在してみられた.また硬化性萎縮性苔癬の本邦報告の21例について統計的に観察し,外陰部にみられたものは7例,うち癌を伴なつたものは2例であつた.
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