Japanese
English
原著
播種性好酸球性膠原病
DISSEMINATED EOSINOPHILIC COLLAGEN DISEASE
今井 清治
1
,
浜松 輝美
1
,
池田 重雄
1
,
川村 太郎
1
,
南 睦彦
2
,
藤生 道子
2
Seiji IMAI
1
,
Terumi HAMAMATSU
1
,
Shigeo IKEDA
1
,
Taro KAWAMURA
1
,
Mutsuhiko MINAMI
2
,
Michiko FUJIO
2
1埼玉医科大学皮膚科
2東京大学医学部小児科
1Department of Dermatology, Saitama Medical School
2Department of Pediatrics, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.305-312
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201420
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6歳,女児.1歳2カ月頃よりアトピー性皮膚炎に膿皮症様皮疹を併発し,喘息様発作,関節リウマチ様症状,発熱,リンパ節腫大を来たし,検査所見で高度の好酸球増多を伴つた白血球増多,高蛋白血症,高ガンマ・グロブリン血症,IgEが異常な高値を示し,CRP,RA共に強陽性,LDH高値,血沈の促進,骨髄像における著明な好酸球増多を認めた.足背の表面が漿液性の小結節の組織像では表皮直下に水疱がみられ,その内容には多数の好酸球を認め,真皮では主に血管および皮膚附属器周囲に,皮下では葉間結合織更には血管腔の内外にまで著しい好酸球を主とする細胞浸潤がみられた.また,真皮結合織では一部に膠原線維の変性をみた.上記症状および白血球増多に対して副腎皮質ホルモン剤が著効を呈したが完治に至らず末期には神経症状を来たして死亡した.本症例は1956年Engfeldtらが提唱した播種性好酸球性膠原病にほぼ一致するものであり,彼らの例および本邦報告例を中心に若干の文献的考察を行なつた.
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