Japanese
English
原著
皮脂過酸化脂質と皮膚疾患の関連—特にB2酪酸エステルの作用について
ABNORMAL HIGH LIPOPEROXIDE LEVEL IN SEBUN AND SOME CUTANEOUS DISEASES
早川 律子
1
,
上田 宏
2
,
井沢 洋平
3
Ritsuko HAYAKAWA
1
,
Hiroshi UEDA
2
,
Yohei IZAWA
3
1名古屋大学医学部皮膚科教室
2名古屋大学医学部付属病院分院皮膚科
3社会保険中京病院皮膚科
1Department of Dermatology, Nagoya University School of Medicine
2Division of Dermatology, Branch Hospital of Nagoya University School of Medicine
3Division of Dermatology, Chukyo Hospital
pp.299-303
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201419
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要約 皮脂中の過酸化脂質量の変動と皮膚疾患の臨床症状との間連を観察するために,女子顔面黒皮症8名,肝斑4名,尋常性痤瘡7名,健康人7名の皮脂を採取し,皮脂中過酸化脂質量,総皮脂量を測定した.治療はビタミンB2酪酸エステル120mg〜180mg/日を主とした.初診時と軽快時とにおける測定結果によれば,軽快時には女子顔面黒皮症,肝斑においては皮脂中過酸化脂質量,総過酸化脂質量/総皮脂量ともに著明に減少し,特に女子顔面黒皮症において著明であり,皮脂中過酸化脂質量の減少が臨床症状の改善と並行することが認められた.また尋常性痤瘡において総皮脂量の減少が認められ,これと並行して総過酸化脂質量の減少が認められたが総過酸化脂質量/総皮脂量の値は初診時,軽快時ともにほぼ正常値を示し,変化が認められなかつた.
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