Japanese
English
原著
乳児肝炎を併発した色素失調症—免疫学的考察を中心として
REPORT OF A CASE OF INCONTINENTIA PIGMENTI WITH INFANTILE HEPATITIS : WITH SPECIAL CONSIDERATION ON THE IMMUNOLOGICAL ETIOLOGY
中川 俊郎
1
,
矢田 純一
1
,
水野 久美子
2
,
漆畑 修
2
Toshiro NAKAGAWA
1
,
Junichi YATA
1
,
Kumiko MIZUNO
2
,
Osamu URUSHIBATA
2
1東邦大学医学部小児科学教室
2東邦大学医学部皮膚科学教室
1Department of Pediatrics, School of Medicine, Toho University
2Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University
pp.313-319
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201421
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2例の色素失調症について免疫血清学的検索と末梢血リンパ球subpopulationの構成を検討した.色素先調症と乳児肝炎の併発例でIg-Mの増加とcytomegalovirus抗体価の上昇が認められた.末梢血リンパ球では"null"cellの増多とPHA反応性の低下が認められた.他の1例では,Ig-M,Ig-G,Ig-Aといずれの免疫グロブリンも著しく増加しており,先天感染が疑われたが,特定のウイルス抗体価の上昇は認められなかつた.末梢血リンパ球は,補体レセブター陽性リンパ球や表面免疫グロブリン陽性リンパ球などのB細胞の著しい増加がみられた.PHA反応性は低下していた.
色素失調症,乳児肝炎,血清ウイルス抗体価の上昇,免疫グロブリン値の増加末梢血リンパ球のsubpopulationの変化やPHA反応性の低下などを一元的に考察した.
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