Japanese
English
原著
毛嚢性ムチン沈着症を伴った播種性好酸球性膠原病の1例
A Case of Disseminated Eosinophilic Collagen Disease with Follicular Mucinosis
稲本 伸子
1
,
中村 絹代
1
Nobuko INAMOTO
1
,
Kinuyo NAKAMURA
1
1北里研究所附属病院皮膚科
1Section of Dermatology, Kitasato Institute Hospital
pp.441-448
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202629
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48歳,女子.骨盤腔内,腋窩,乳房部膿瘍を主訴とし,喘息および神経皮膚炎様皮疹と脱毛を伴い,心不全にて死亡した播種性好酸球性膠原病'(DECD)の1例を報告した.生検および剖検にて,心筋梗塞,諸臓器における血栓形成および骨盤腔内膿瘍壁,子宮筋層,リンパ節被膜下に好酸球増多を伴う炎症性病巣,および結節性動脈周囲炎様の血管炎が認められ,一部の血管炎には僅かではあるが異物型多核巨細胞を伴う肉芽腫性炎も存在した.皮膚所見が特徴的であり,初期には毛嚢破壊を中心とし,多数の好酸球を伴う肉芽腫性炎症と,小血管周囲性の非特異的炎症,末期には毛嚢のムチン様変性すなわちfollicular mucinosisおよびpoikiloderma様変化が認められた.
同時に,最近のDECD報告例15例につき,特にその皮膚所見,剖検所見につき考察を加えた.
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