論説
結合織の生化学と臨床
山村 雄一
1
1大阪大学医学部内科学教室
pp.951-955
発行日 1972年10月1日
Published Date 1972/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201057
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リウマチ様関節炎(慢性関節リウマチス)をはじめ,全身性紅斑性狼瘡(systcmic lupus erythe-matosus,SLE),皮膚筋炎,結節性動脈周囲炎,鞏皮症(スクレロデルミー)など多彩な症状を示す疾患を統一的に理解する病名として登場してきたのが,膠原病(collagen disease)である.
しかしこの膠原病という言葉はあまり適切ではない.とりわけ生化学的な知識を基礎とすると,膠原病は膠原(コラーゲン)の異常に疾病が限定してしまうような感じを与える.ところが上述の疾患はいずれもコラーゲンに限定した疾患ではなく,結合織全汎が関与するところの疾患であるからである.正しくはコラーゲンをふくめた結合織の病気,「結合織病」(connective tissue disease)とよぶべきであろう.
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