論説
結合組織の超微形態学
梶川 欽一郎
1
1金沢大学医学部病理学教室
pp.943-949
発行日 1972年10月1日
Published Date 1972/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201056
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このシンポジウムで私に与えられたテーマは「結合組織の超微形態学」であるが,この方面の研究はすでに多数にのぼつており(1〜3参照),その総てを紹介することは不可能である.そこで我々の教室でこれまで行なわれてきた結合組織の電顕的研究の結果を中心に概説したいと思う,話の順序として,結合組織細胞の主要な構造的特徴についても触れるが,細胞間物質の超微形態学に重点をおいて述べたい.生理的にせよ,病的にせよ,結合組織の状態は終局的には細胞間物質の性状に集約され,しかもこの物質の超微形態学は細胞成分のそれより研究がおくれていると思われるからである.ここで取上げる問題は必ずしも皮膚病変に直接関係のないものが少なくないが,結合組織の病変を理解するための基礎的知識として役立つならば幸いである.
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