臨床研修セミナー 手術手技
I.子宮単純全摘出術
腹式単純子宮全摘出術—私の工夫
子宮傍結合織切断法
永田 一郎
1
1防衛医科大学校産科婦人科学教室
pp.422-427
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900102
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筆者が常用している腹式単純子宮全摘術における子宮傍組織(子宮付着靱帯)切断の手法を図説する。本術式は子宮筋腫,Ⅰ期の子宮体癌,0期の子宮頸癌,産科出血などを適応としている。本術式では子宮体部および子宮腟部は全摘可能であるが,術式の安全を期した場合,子宮頸部側壁の一部は残存する可能性がある。子宮の側方では尿管が膀胱子宮靱帯のトンネル内にあり,子宮頸管に接しているから,図1矢印のように少し頸部を削るようにしないと必ずしも常に尿管が安全というわけにはいかないからである。また,ここを少し削ることによって,子宮付着靱帯の結紮糸の滑脱は確実に防止される。この機会に本術式の要である靱帯切断の手順と,その際の留意点を述べ,特殊例に対する独特の手法にも言及する。
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