Japanese
English
薬剤
皮膚疾患に対するビタミンK1剤の臨床効果について
VITAMIN K1 (KAYWAN) IN THE TREATMENT ON DERMATOLOGICAL DISEASES
伊崎 正勝
1
,
昆 宰市
1
,
前田 正彦
1
,
坂本 政禧
1
,
飯尾 健
1
,
樋口 幸子
1
Masakatsu IZAKI
1
,
Saiichi KON
1
,
Masahiko MAEDA
1
,
Masayoshi SAKAMOTO
1
,
Takeshi IIO
1
,
Sachiko HIGUCHI
1
1岩手医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, School of Medicine
pp.83-92
発行日 1969年1月1日
Published Date 1969/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200455
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I.はじめに
ビタミンK (以下VKと略記)は従来,凝血に関する因子として発見されたために,その研究は今日においてもなお,血液凝因を中心として展開されつつある。VKにはK1の他,K2,K3,K4,K5などがあり,さらに,これらK剤の誘導体もあるが,いずれも,その構造式はNaphthoquinone核とその側鎖からなつている。しかして,VKの主作用はこのNaphthoquinone核にあり,毒性はその側鎖に関係あるといわれている。K1はこれらK剤のうち,凝血効果が最も強力であり,かつ副作用の少ないことで最も優れており,現在諸種の出血性疾患に応用されつつある。
さらに,近年,諸家により血液をもたない植物や細菌にも,このK1が含まれていることが明らかにされるにおよんで,その作用は単に凝血のみならず,生命現象の基本である細胞呼吸および生体防御反応にも極めて重要なる役割を演ずることが,次第に強調されるに至つた。
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