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特集 第67回日本皮膚科学会総会
シンポジウムⅡ
下腿の炎症性硬結
下腿の炎症性硬結—序言
INFLAMMATORY NODULES OF THE LEGS
藤浪 得二
1
Tokuji FUJINAMI
1
1大阪大学医学部皮膚科
1Dermatology, University of Osaka, School of Medicine
pp.1310
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200434
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下腿の炎症性硬結と一口に言つても可成り広汎囲の,原因とか発症機転を異にする疾患が数多く含まれ,その整理は甚だ困難である。例をErythema nodosumとかErythema induratum Bazinにとつてみてみてもその原因が未だ確定されておらず,両者間にも中間型,移行型があり臨床上これ等を如何に取り扱つてよいものか,とまどう場合が少くない。原因や発症機転と直接結びつく病名が最も望ましいがその段階に達するにはまだ程遠いものと思われる。
今回のシンポジウムでは結節性紅斑,硬結紅斑,結節性動脈周囲炎,アナフィラキシー様紫斑,游走性血栓性静脈炎,Weber-Christian脂肪織炎およびBehçet症候群によるものを中心に論議していただくこととし,一方,混乱を防ぐために診断用語としては今回限りのことであるが,①結節性紅斑とは急性の経過をとり,1〜2か月以内に瘢痕を作らず完全に消失するもの。②硬結性紅斑(Bazin)は結核性,非結核性を問わない,従つて,Montgomeryらの言うnodular vasculitisをもこれに含める。③アナフィラキシー様紫斑,真皮アレルギー性血管炎(Ruiter,過敏性血管炎,Gougerotの3徴候(trisymptome),結節性アレルギー疹,白血球破壊性血管炎などはアナフィラキシー様紫斑によつて代表せしめることにした。
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