Japanese
English
症例報告
発汗低下を訴えた4例の温熱発汗試験の結果について
The results of thermoregulatory sweat test for 4 patients with complaint of decreased sweating
田中 登希子
1
,
林 良太
1
,
松尾 淑江
1
,
丸山 涼子
1
,
五十嵐 可奈子
1
,
苅谷 直之
1
,
伊藤 雅章
1
Tokiko TANAKA
1
,
Ryota HAYASHI
1
,
Yoshie MATSUO
1
,
Ryoko MARUYAMA
1
,
Kanako IKARASHI
1
,
Naoyuki KARIYA
1
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata, Japan
キーワード:
後天性無汗症
,
コリン性蕁麻疹
,
温熱発汗試験
Keyword:
後天性無汗症
,
コリン性蕁麻疹
,
温熱発汗試験
pp.1020-1024
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200050
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要約 2012年に発汗低下を主訴に当科を受診した4例に対し温熱発汗試験を施行した.2例は発汗を認めず,特発性後天性全身性無汗症(idiopathic acquired generalized anhidorosis:IAGA)と診断した.残る2例は正常に発汗を認め,1例はコリン性蕁麻疹と診断し,もう1例は皮膚科的に異常を認めず,各種自己抗体も陰性であった.以上の4例と過去に当科で温熱発汗試験を施行した19例を併せ,発汗低下を訴える症例の検討を行った.約半数の症例で正常発汗を認め,原疾患は主にコリン性蕁麻疹,アトピー性皮膚炎であった.皮膚科的に異常を認めない症例も存在し,内科・精神科疾患等の原因検索を要する症例もあると考えられた.発汗低下を認めた症例の多くはIAGAであり,ステロイドパルス療法施行例は大部分の症例で軽快した.発汗低下を主訴とする場合,まずは積極的に温熱発汗試験を実施すべきである.
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