Japanese
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臨床統計
新潟大学皮膚科における過去10年間の水疱性類天疱瘡の統計的観察
Statistical observation of patients with bullous pemphigoid in Niigata University Hospital from 2003 to 2012
松尾 淑江
1
,
丸山 涼子
1
,
苅谷 直之
1
,
伊藤 雅章
1
Yoshie MATSUO
1
,
Ryoko MARUYAMA
1
,
Naoyuki KARIYA
1
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata University, Niigata, Japan
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
統計
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
統計
pp.915-919
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200019
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要約 2003年1月〜2012年10月の10年間における当科の水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)患者は男62例,女63例の計125例で,発症年齢は35〜94歳,平均発症年齢は男71.8歳,女75.2歳,全体では73.6歳であった.全年齢を通じて皮疹は多彩で,多くは全身に緊満性水疱と浮腫性紅斑を認めた.掻痒は89.6%と高率に認め,口腔粘膜疹は20.0%に合併した.悪性腫瘍の合併率は11.2%であったが,悪性腫瘍合併例は男女ともすべて70〜90歳台の高齢者であり,BPと悪性腫瘍の合併については偶発的一致の可能性を考えた.治療としては副腎皮質ステロイドの内服を用いた例が76.8%にのぼり,多くはステロイドによく反応するが,シクロスポリンの併用を必要とした難治群が4.8%認められた.本検討では発症年齢による臨床像や治療反応性の違いはなく,またBP180 ELISAの導入前後でBPの治療反応性に有意差は認められなかった.
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