Japanese
English
症例報告
成人後に顕在化したびまん性真性静脈拡張症の1例
A case of diffuse genuine phlebectasia actualized in adulthood
大田 玲奈
1
,
稲福 和宏
1
,
押川 由佳
1
Rena OTA
1
,
Kazuhiro INAFUKU
1
,
Yuka OSHIKAWA
1
1君津中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kimitsu chuo Hospital, Kisarazu, Japan
キーワード:
Bockenheimer's syndrome
,
静脈奇形
,
静脈石
Keyword:
Bockenheimer's syndrome
,
静脈奇形
,
静脈石
pp.1025-1030
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200051
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 39歳,男性.初診10年前より鼠径部に軟腫瘤を自覚し,徐々に増加したため切除を希望し受診した.初診時,ドーム状常色軟腫瘍とエコーにて皮下腫瘍を計6個認め,臨床検査で血小板9.5×104/μl,プラスミノーゲン55%,トリグリセリド1,977mg/dlを認めた.腸骨部腫瘍の切開で腫瘍から静脈性の出血を認め,小豆大の結石を有する囊腫を摘出した.病理組織像では蛇行・拡張した奇形血管を認め,血管壁は内膜の菲薄化と外膜の肥厚が混在していた.MRIにて臀部,大腿の筋層内と皮下にT1低信号,T2高信号,不均一な造影効果を示す類円形や管状の腫瘍を多数認めた.CTでは,脾臓に血管腫を疑う多発腫瘍がみられた.これらの所見より広範囲の皮下・深部筋肉内に静脈奇形を生じるびまん性真性静脈拡張症と診断した.本症は進行性の経過を辿るため長期にわたる経過観察と症状に応じた治療が必要となる.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.