負荷機能検査・36
発汗試験
石田 肇
1
Hajime ISHIDA
1
1日本医科大学理学診療科
pp.1621-1624
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911748
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はじめに
発汗試験は,臨床的に,外傷,その他で末梢神経の損傷した場合,あるいはこれを修復して治癒過程にある場合に応用され,手の外科の機能再建手術後の経過観察や,カウザルギーや反射性交感性ジストロフィーなどに対し,交感神経切除術などを施行した場合に,その効果判定に応用されている.末梢神経損傷の際には,無発汗帯と知覚異常,脱出部位との分布がよく一致するので,他覚的な知覚脱出部の検索を目的として行われる定性的な検査である.
発汗の機序としては,一般に体温調節性発汗(thermo regulatory perspiration)と精神的・感情的発汗(emotional perspiration)の二種に分けられているが,後者は,異常な精神的緊張やストレスに際し"手に汗をにぎる"という表現のごとく,主として手掌,足底,腋窩に発汗するものであるのに対して,体温調節性発汗は,前額,唇,躯幹,四肢などに発汗するのが特徴である(図1).
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