マイオピニオン
今年の教室の目標から
秀 道広
1
Michihiro HIDE
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学
pp.1018-1019
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200049
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1. はじめに
私の教室では,毎年1月に全員が1年の振り返りと抱負を発表することにしている.病院からは売り上げや患者数増加のプレッシャーは重く,大学人としては研究費獲得のための論文の数とインパクトファクターが否応なく問われ続ける.いずれも数値という,客観的にして明確な評価による動機付けの方法であり,競争社会のなかでは優れた仕組みであろう.しかし,それらに追われるあまり,方便であったものが目標となり,いつのまにか本来大切にすべきものであったはずのものが彼方に潰えてしまいかねない.われわれは,程度の差はあれ厳しい競争と努力を経て活動している有能な技能集団であり,誰にでもできることではない高度な課題に取り組んでいることは間違いない.年に一度の発表は,各自が隘路に陥らないため,教授以下全員が自らを総括し,できたことについては讃え合い,皆の前で目標を表明することで決意を新たにする営みである.主宰者である私は,自身の総括と抱負に加え,年ごとの教室の目標を設定することにしている.表1に示す教室の目指す仕事と教室員の信条は,そのような過程のなかで形成された,いわば教室の憲章である.
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