Japanese
English
特集 胸腹部の神経学
発汗の神経機序とその異常—体幹部・温熱性発汗を中心に
Neural Mechanism of Sweating and their Abnormalities: With Special Reference to Truncal Sweating
齋藤 博
1
Hiroshi SAITO
1
1仙台東脳神経外科病院神経内科
1Department of Neurology,Sendai Eastern Neurosurgical Hospital
キーワード:
温熱性発汗
,
thermoregulatory sweating
,
神経機構
,
neural mechanism
,
発汗異常
,
sweating abnormalities
Keyword:
温熱性発汗
,
thermoregulatory sweating
,
神経機構
,
neural mechanism
,
発汗異常
,
sweating abnormalities
pp.69-75
発行日 2019年1月25日
Published Date 2019/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201040
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はじめに
汗腺(ここではエクリン腺)は全身に分布している.ヒトの生理的発汗には,全身有毛部の温熱性発汗(thermoregulatory sweating:TS),主に手掌・足底の精神性発汗,さらに顔面を主とした味覚性発汗があり,それぞれ生理的意義や神経機構が異なると推定されている.
体幹部における発汗異常は種々の原因や疾患で生じ得る.後述のように,全身の温熱性発汗検査によって,交感神経系障害の有無と広がり,脊髄障害であればおおよそのレベルを把握できる.さらに,薬物性発汗検査を併用することにより,「障害レベルが中枢性か? または節後性ないし汗腺レベルの障害か?」の推定に役立つ.全身の発汗機能検査は,交感神経機能を視覚的に把握し,さらに発汗量を測定することにより定量評価し得る適切な方法と考えられる.
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