Japanese
English
症例報告
大細胞転化した菌状息肉症の1例
A case of mycosis fungoides with large cell transformation
中原 千保子
1
,
沖山 良子
1
,
佐藤 勘治
1
,
尾山 修一
1
,
饗場 伸作
1
,
金子 聡
1
,
平松 正浩
2
Chihoko NAKAHARA
1
,
Ryoko OKIYAMA
1
,
Kanji SATO
1
,
Syu-ichi OYAMA
1
,
Shinsaku AIBA
1
,
Satoshi KANEKO
1
,
Masahiro HIRAMATSU
2
1横浜労災病院皮膚科
2シオン皮膚科クリニック
1Divison of Dematoligy,Yokohama Rosai Hospital,Yokohama,Japan
2Shion Dermatological Clinic,Yokohama,Japan
キーワード:
CD30
,
large cell transformation
,
未分化大細胞リンパ腫
Keyword:
CD30
,
large cell transformation
,
未分化大細胞リンパ腫
pp.528-532
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103337
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 40歳,男性.16歳頃から全身に紅斑が出現し,39歳時に紅斑に浸潤を触れるようになった,初診時にはびらん,潰瘍,結節を認めた.病理組織学的に紅斑部では異型細胞が増生し,これらCD30がほぼ陰性であったが,結節部では大型異型細胞が増生しCD30陽性であり,菌状息肉症の大細胞転化と診断した.末梢血の異型リンパ球,リンパ節転移や遠隔転移は認めなかった.化学療法,放射線照射,Mohs軟膏,紫外線療法を施行したが改善せず,顔面・頸部・右肩に著しい潰瘍の拡大を認め,初診の約2年後に肺転移を生じ死亡した.菌状息肉症の大細胞転化は病期の進行した症例で発症頻度が高く,急激な臨床経過をたどり,予後不良である.したがって大細胞転化は,予後に関する重要な因子と考えた.わが国では菌状息肉症に対する有効な治療法の選択肢は限られているのが現状である.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.