Japanese
English
症例報告
1型糖尿病を伴う慢性皮膚粘膜カンジダ症に口唇の有棘細胞癌を生じた1例
A case of chronic mucocutaneous candidiasis with type 1 diabetes mellitus associated with squamous cell carcinoma of the lip
楠葉 展大
1
,
辻花 光二郎
1
,
涌田 あすか
1
,
鬼頭 昭彦
1
,
十一 英子
1
Nobuhiro KUSUBA
1
,
Kohjiro TSUJIHANA
1
,
Asuka WAKUDA
1
,
Akihiko KITOH
1
,
Eiko TOICHI
1
1独立行政法人国立病院機構京都医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Kyoto Medical Center, Kyoto, Japan
キーワード:
慢性皮膚粘膜カンジダ症
,
自己免疫性多発内分泌疾患・カンジダ症・外胚葉性ジストロフィー
,
有棘細胞癌
Keyword:
慢性皮膚粘膜カンジダ症
,
自己免疫性多発内分泌疾患・カンジダ症・外胚葉性ジストロフィー
,
有棘細胞癌
pp.889-893
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200012
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 43歳,男性.小学生時に難治性の口腔内カンジダ症を発症し,26歳で家族歴のない1型糖尿病を発症した.2005年初診時,口腔粘膜,舌に白苔の付着がみられ,慢性皮膚粘膜カンジダ症と診断し抗真菌薬内服治療をしたが効果が乏しかった.2006年9月ころより右下口唇に白色局面が出現した.生検で有棘細胞癌と診断し切除術を施行した.その後,イトラコナゾール液(イトリゾール内用液®)に変更したところ一時著明に改善したが,徐々に舌が硬化し,病理組織および臨床所見から白板症と診断した.自験例は幼少期発症の口腔内カンジダ症に1型糖尿病を合併しており,自己免疫性多腺性内分泌不全症・カンジダ症・外胚葉性ジストロフィー(autoimmune polyendocrinopathy-candidiasis-ectodermal dystrophy:APECED)を疑った.慢性皮膚粘膜カンジダ症では自験例のように比較的若年で悪性腫瘍を発症することがあり,そのことを念頭に注意深く観察し,早期発見することが重要と考えた.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.