Japanese
English
症例報告
難治性の多形滲出性紅斑を契機に診断しえた骨髄異形成症候群の1例
A case of myelodysplastic syndrome diagnosed from intractable erythema exudativum multiforme
星島 啓子
1
,
土岐 清香
1
,
長谷川 道子
1
,
永井 弥生
1
,
石川 治
1
Keiko HOSHISHIMA
1
,
Sayaka TOKI
1
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Yayoi NAGAI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
多形滲出性紅斑
,
骨髄異形成症候群
Keyword:
多形滲出性紅斑
,
骨髄異形成症候群
pp.771-774
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104120
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要約 55歳,男性.2年前より体幹に皮疹が出現し難治であった.初診時,顔面,軀幹,四肢に母指頭大までの浸潤を触れる淡紅色の滲出性紅斑が多発していた.大型のものはtarget lesionを呈し,軽度の疼痛を伴っていた.病理組織学的には軽度の液状変性と,真皮全層の血管付属器周囲にリンパ球主体の細胞浸潤がみられ,多形滲出性紅斑と診断した.大球性貧血,白血球減少,脾腫があり,精査により骨髄異形成症候群の診断に至った.プレドニゾロン投与にて紅斑は体幹,四肢に散在する程度となったが,減量にて増悪を繰り返した.診断から1年後に造血細胞移植が行われたが急性移植片対宿主病にて永眠した.骨髄異形成症候群ではさまざまな皮膚症状を合併することが知られている.皮疹が診断の契機となることもあり,留意するべきと考えた.
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