Japanese
English
症例報告
生毛部急性深在性白癬の2例
Two cases of trichophytia profunda acuta on the glabrous skin
原田 和俊
1
,
佐野 信也
1
,
川村 龍吉
1
,
柴垣 直孝
1
,
畑 康樹
2
,
島田 眞路
1
Kazutoshi HARADA
1
,
Shinya SANO
1
,
Tatsuyoshi KAWAMURA
1
,
Naotaka SHIBAGAKI
1
,
Yasuki HATA
2
,
Shinji SHIMADA
1
1山梨大学医学部皮膚科
2済生会横浜東部市東部病院皮膚科
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Yamanashi, Yamanashi, Japan
2Division of Dermatology, Saiseikai Yokohamashi Tobu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
生毛部急性深在性白癬
,
Trichophyton rubrum
,
炎症性白癬
,
いわゆる深在性真菌
,
抗真菌剤
Keyword:
生毛部急性深在性白癬
,
Trichophyton rubrum
,
炎症性白癬
,
いわゆる深在性真菌
,
抗真菌剤
pp.731-736
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104106
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要約 症例1:70歳,男性.腕時計を装着していた左前腕伸側に紅斑が出現した.ステロイド軟膏を外用するも,皮疹が改善しないため当科を受診した.症例2:80歳,男性.腕時計を着用していた左前腕に紅斑が出現した.さらに腕時計を右腕に付け替えたところ,右前腕にも同様な紅斑が出現した.ステロイド軟膏を外用して皮疹が増悪し,当科へ紹介された.両症例とも,前腕伸側に浸潤を触れる紅斑,小丘疹が局面を形成していた.病理組織学的に毛囊周囲に炎症細胞浸潤があり,組織培養でTrichophyton rubrumが検出された.以上の検査結果より,生毛部急性深在性白癬と診断し,抗真菌剤内服により治癒した.2症例とも,前腕に出現した紅斑に,ステロイド軟膏を外用し,皮疹部に腕時計を着用していた.これらの経過から,本疾患において,不適切なステロイド軟膏の外用と局所の湿潤環境が重要な発症因子である可能性が示唆された.
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