Japanese
English
症例報告
硬毛部急性深在性白癬の1例
A case of trichophytia profunda acuta of the terminal hair
蜂須賀 裕志
1
,
楠原 正洋
1
,
川浪 東洋
1
,
笹井 陽一郎
1
Hiroshi HACHISUKA
1
,
Masahiro KUSUHARA
1
,
Toyou KAWANAMI
1
,
Yoichiro SASAI
1
1久留米大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine
キーワード:
深在性白癬
,
ステロイド
,
Trichophyton rubrum
Keyword:
深在性白癬
,
ステロイド
,
Trichophyton rubrum
pp.437-439
発行日 1996年5月1日
Published Date 1996/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901879
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
患者は33歳男性.約10ヵ月前より陰茎の背面に瘙痒を伴う湿潤した紅斑が出現し,近医にてステロイド剤の投与を受けたが軽快増悪を繰り返していた.1ヵ月前,ステロイド剤を外用後,鼠径部,陰茎基部に皮下結節が出現した.生検組織では真皮中層に表皮類似の嚢腫様構造があり,膿瘍が認められた.残存する硬毛のPAS染色にて毛外性の菌要素が認められた.真皮内に菌要素は認めなかった.毛髪,組織片の培養にてTricho-phyton rubrumを分離した.これらの所見より硬毛部急性深在性白癬と診断した.本症は,外陰部の硬毛に生じたケルスス禿瘡または白癬菌性毛瘡というべき状態であり,ステロイド剤外用を誘因として生じると考えられる.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.