Japanese
English
症例報告
ゲムシタビン単剤療法にて部分奏効を一時的にきたした血管肉腫の1例
A case of angiosarcoma responded to gemcitabine monotherapy
森下 加奈子
1
,
福田 桂太郎
1
,
入來 景悟
1
,
江上 将平
1
,
森 真理子
1
,
舩越 建
1
,
高江 雄二郎
1
,
石河 晃
2
Kanako MORISHITA
1
,
Keitaro FUKUDA
1
,
Hisato IRIKI
1
,
Shohei EGAMI
1
,
Mariko MORI
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Yujiro TAKAE
1
,
Akira ISHIKO
2
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
血管肉腫
,
ゲムシタビン単剤療法
,
部分奏効
,
無増悪生存
Keyword:
血管肉腫
,
ゲムシタビン単剤療法
,
部分奏効
,
無増悪生存
pp.636-640
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104082
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要約 76歳,男性.左前頭部,右側頭部に浸潤を伴う紅斑がみられ,組織検査にて異型な内皮細胞からなる血管増生所見が認められ,血管肉腫と診断した.単純切除後,全頭部の電子線照射とweeklyドセタキセル療法(25mg/m2,3投1休)を施行した.手術から6か月後に局所再発し,weeklyパクリタキセル療法(80mg/m2,3投1休)に変更したが強いしびれの副作用のため中止した.IL-2の静注局注療法(40万単位)に変更したが腫瘍は増大した.NCCNガイドラインで血管肉腫に対する抗癌剤として推奨されているゲムシタビン単剤療法(1,000mg/m2,3投1休)を施行した結果,腫瘍は部分奏効を一時的に示した.他臓器転移なく,19か月後に原病により死亡した.タキサン系抗癌剤やIL-2に抵抗性の切除不能血管肉腫で,多剤併用療法が使用できない症例では,比較的骨髄抑制が少なく副作用が弱いとされるゲムシタビン単剤療法も選択肢の1つになりうると考えた.
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