Japanese
English
症例報告
Bowen病に合併し急速に多発転移したMerkel細胞癌の1例
A case of rapidly progressive Merkel cell carcinoma associated with Bowen disease
園山 悦子
1
,
渡邊 愛子
1
,
猿喰 浩子
1
Etsuko SONOYAMA
1
,
Aiko WATANABE
1
,
Hiroko SARUBAN
1
1東大阪市立総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Higashiosaka City General Hospital, Higashiosaka, Japan
キーワード:
Merkel細胞癌
,
Bowen病
,
急速進行
,
放射線療法
,
リンパ管浸潤
Keyword:
Merkel細胞癌
,
Bowen病
,
急速進行
,
放射線療法
,
リンパ管浸潤
pp.323-327
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103941
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要約 76歳,女性.約10年前より左胸部に自覚症状のない茶褐色斑が出現し徐々に拡大した.初診時,左胸部に約3cm大の鱗屑付着した角化性紅斑を認めた.皮膚生検病理像にてBowen病と診断し,2011年3月に局所麻酔下に全切除した.病理組織検査を進めたところ,Bowen病の組織内に2mm大の範囲で比較的小型の腫瘍細胞の充実性増生を認め,サイトケラチン20染色で核周囲にドット状に陽性に染まり,Merkel細胞癌と診断した.リンパ管浸潤も認めた.12月に左腋窩リンパ節転移が判明し,60Gy/30分割の電子線照射に反応して消失した.しかし2012年3月に多発肝転移,6月に骨転移をきたし永眠した.初期のMerkel細胞癌の組織像は2mm大と小さかったが,急速に多発転移をきたした.Merkel細胞癌の病期診断にはセンチネルリンパ節生検が重要であり,また治療は放射線療法が非常に有効と考えられた.
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