Japanese
English
症例報告
片側性に生じた多発性立毛筋性平滑筋腫の1例
A case of unilateral multiple piloleiomyoma
藤原 暖
1
,
岩田 昌史
1
,
井形 華絵
1
,
大谷 稔男
1
Dan FUJIWARA
1
,
Masashi IWATA
1
,
Kae IGATA
1
,
Toshio OHTANI
1
1倉敷中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kurashiki Central Hospital, Kurashiki, Japan
キーワード:
多発性立毛筋性平滑筋腫
,
片側性
,
モザイク病変
,
常染色体性優性遺伝
,
ヘテロ接合性の喪失
Keyword:
多発性立毛筋性平滑筋腫
,
片側性
,
モザイク病変
,
常染色体性優性遺伝
,
ヘテロ接合性の喪失
pp.133-137
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204661
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要約 73歳,男性.体幹と下肢の左側のみに淡紅色から褐色調の小結節が多発した.左上背部の皮疹は分節状で集簇傾向が強かった.左胸腹部と左下肢は皮疹が散在し,一部に疼痛を伴った.左下肢の皮疹は体幹の皮疹より早く生じたとのことだが,出現時期の詳細は不明であった.病理組織学的には交錯する紡錘形細胞の腫瘍塊が真皮内にみられ,免疫染色はα平滑筋アクチン陽性,デスミン陽性を示した.多発性立毛筋性平滑筋腫と診断した.CTで悪性腫瘍を疑う所見は認めなかった.最近の本邦における報告は,上半身の一部に両側性に生じた例や1つの部位にのみ片側性に生じた例で占められ,自験例のように比較的広範囲に片側性の皮疹が分布することは稀である.ヘテロ接合性の喪失を反映したモザイク病変の可能性も否定できず,分子遺伝学的な検討が必要であると考えた.
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