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文献紹介 悪性黒色腫は炎症によって誘導される可逆的脱分化を介しT細胞免疫療法に抵抗性を示す
福田 桂太郎
1
1慶應義塾大学
pp.1052
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103847
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MART-1やgp100などのメラノサイト抗原に特異的なT細胞受容体(T-cell receptor:TCR)を強制発現させた細胞傷害性T細胞(cytotoxic T lymphocyte:CTL)を投与する養子免疫療法(adoptive cell transfer:ACT)に大量化学療法とIL-2を併用したT細胞免疫療法は転移性悪性黒色腫に対し,良好な奏効率が得られているが,再発することも少なくない.筆者らは,マウスにgp100に対するT細胞免疫療法を導入し,ヒト同様に腫瘍の退縮・寛解・再発を再現する実験系の構築に成功した.そしてこの系を用いて,T細胞免疫療法に対し悪性黒色腫がどのように耐性を獲得するか研究した.
再発した悪性黒色腫では,gp100の発現が減少し,TNF-α,IL-1β,IL-6などの炎症性サイトカインが高発現していた.病理組織像では,CTLに加え,著明なCD11b陽性細胞の浸潤を認めた.
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