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文献紹介 悪性黒色腫に対するモノベンゾンとイミキモド外用療法は抗悪性黒色腫免疫を誘導し,皮膚転移巣の縮小が得られる
平井 郁子
1
1慶應義塾大学
pp.692
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205502
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免疫療法中の悪性黒色腫患者における白斑様脱色素斑の出現は,好ましい予後の徴候であり,メラノサイトないし悪性黒色腫抗原に対する免疫が効率よく誘導されていることを意味する.著者らは抗メラノサイト免疫を誘導する汎発性白斑治療薬のモノベンゾンと,Toll様受容体アゴニストであるイミキモドとを併用し,抗悪性黒色腫免疫の誘導と,腫瘍縮小効果を評価すべく,単相,第Ⅱ相試験を行った.
対象は切除不能な多発皮膚転移巣を有するstage ⅢC〜Ⅳ期の悪性黒色腫患者で,皮膚転移巣と周囲の皮膚に対して12週間以上のモノベンゾンとイミキモドの併用外用療法(MI療法)を行った.21例が12週間の治療評価対象となった.その結果,MI療法の忍容性は良好で,皮膚転移部の部分奏効(PR)は8/21例(38%),安定(SD)は1/21例であった.また,12週以降の継続治療期を含めた最良奏効率は52%(11/21例)で,これには3例の完全奏効(CR)が含まれた.7/21例において非外用部位の白斑様脱色素がみられた.さらにMART-1,gp100,チロシナーゼなどのメラニン分化抗原に対する特異的抗体は7/17例で,抗原特異的CD8+ T細胞の誘導は11/15例において確認された.これらの全身性免疫応答は,PR群においてベースラインと比較して治療中に有意に増加した.
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