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書評 ―総編集:古江増隆,専門編集:岡本祐之―皮膚科臨床アセット14 肉芽腫性皮膚疾患 サルコイドーシス・他の肉芽腫
鶴田 大輔
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1大阪市立大学大学院医学研究科・皮膚病態学
pp.829
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103776
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皮膚科臨床アセットシリーズは,私のお気に入りのシリーズである.総編集の古江増隆氏の序文にもあるが,「専門書でありながら肩の凝らない読み物」というポリシーが私の琴線に触れるのである.これまで発刊された書籍はすべて目を通しており,一部は私も分担執筆させていただいた.今回新たに,「肉芽腫性皮膚疾患」についての書籍が関西医科大学教授の岡本祐之氏の編集により刊行された.
私は以前,皮膚疾患の病態生理に関する教科書を執筆したことがある.担当は水疱症と膿疱症であった.水疱症の病態生理は本邦の皮膚科医も含めた先人の多大な努力によりかなり解明されてきたことは言うまでもなく,比較的容易に書くことができた.問題は膿疱症であった.当時,不勉強のせいではあろうが,全くお手上げの状態であった.幸運にも(不運にも??)肉芽腫症についての病態生理の項目の執筆の機会は現在までない.私の講義担当はしかしながら,「水疱症・膿疱症・肉芽腫症」である.どうしてもこれらのなかでは比較的良くわかっている水疱症のパートに,多くの時間を割いてきた.肉芽腫症についてはサルコイドと環状肉芽腫を紹介するだけであった.今回,本邦におけるサルコイドーシス学の権威である岡本祐之氏が編集された,過去に類を見ない書籍を目の当たりにした.目からうろこが落ちるとはまさにこのことで,時間がすぎるのを忘れて,わずか数日で読破してしまった.私は肉芽腫の講義を担当しておりながら,全くもって不勉強であることを痛感した.肉芽腫の病態解明がかなり進んでいることがわかった.
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