特集 高齢者の呼吸器感染症治療―症例が示すマネジメントの最前線
◉肺真菌症
①カンジダ
平山 達朗
1,2
,
宮崎 泰可
1,3
1長崎大学病院 呼吸器内科(第二内科)
2長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 臨床感染症学 助教
3長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 臨床感染症学 講師
キーワード:
肺カンジダ症
,
カンジダ血症
,
敗血症性肺塞栓症
,
Candida albicans
,
Candida glabrata
Keyword:
肺カンジダ症
,
カンジダ血症
,
敗血症性肺塞栓症
,
Candida albicans
,
Candida glabrata
pp.270-275
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000079
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Summary
呼吸器感染症における肺カンジダ症は,経気道感染によるものではなく血行性の播種性カンジダ症の部分症であり,その多くは敗血症性肺塞栓症として経験される。経気道的にカンジダが侵入し炎症を惹起する,いわゆるカンジダ肺炎はほとんど存在せず,日常診療で考慮するべき病態ではない。したがって,呼吸器検体からカンジダ属が分離されても診断的意義は極めて低く,治療適応はない。通常,肺カンジダ症は,血液からのカンジダ属の分離と胸部画像所見をもとに臨床診断され,カンジダ血症に準じた治療を行う。
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