Japanese
English
症例報告
臨床像が結節型悪性黒色腫を思わせた基底細胞癌の1例
A case of basal cell carcinoma simulating nodular melanoma in clinical manifestation
稲津 美穂子
1
,
納 さつき
1
,
浜野 真紀
1
,
石川 武子
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
,
帆足 俊彦
2
Mihoko INATSU
1
,
Satsuki OSAME
1
,
Maki HAMANO
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
,
Toshihiko HOASHI
2
1帝京大学医学部皮膚科学教室
2三楽病院皮膚科
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Sanraku Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
茸状
,
ダーモスコピー
Keyword:
基底細胞癌
,
茸状
,
ダーモスコピー
pp.169-172
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103544
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要約 61歳,女性.約4年前に背部に自覚症状のない小指頭大程の黒色結節が出現した.結節は易出血性となり,徐々に増大した.初診時,背部に胡桃大超の有茎性茸状の紅褐色結節を認めた.表面は易出血性で血餅に覆われていた.初診時のダーモスコピーは血餅のため観察困難であった.悪性黒色腫を疑い局所皮弁を用い,切除した.病理組織像では充実性から腺様の基底細胞からなる胞巣で辺縁に柵状配列もみられ基底細胞癌と診断した.術後に画像ソフトでダーモスコピー像を補正してみるとarborizing vesselsなど診断の手がかりとなる所見が得られた.ダーモスコピー検査では,出血などのアーチファクトを実際の観察時に取り除くことが肝要であるが,電子的な画像補正もある程度有用と考えられた.
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