Japanese
English
症例報告
アポクリン腺癌の2例
Two cases of apocrine carcinoma
磯田 祐士
1
,
和田 秀文
1
,
前田 修子
1
,
小岩 克至
1
,
藤田 浩之
1
,
池澤 善郎
1
Yuji ISODA
1
,
Hidefumi WADA
1
,
Nobuko MAEDA
1
,
Katsushi KOIWA
1
,
Hiroyuki FUJITA
1
,
Zenro IKEZAWA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
アポクリン腺癌
,
異所性アポクリン腺
,
胸部
,
リンパ節転移
Keyword:
アポクリン腺癌
,
異所性アポクリン腺
,
胸部
,
リンパ節転移
pp.163-167
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103543
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要約 症例1:56歳,男性.初診2年前より左腋窩に腫瘤を自覚し徐々に増大し,当科を受診した.初診時15×8mmの肉芽腫様結節を認めた.症例2:56歳,女性.初診5年前から前胸部に紅斑が出現し,当科を受診した.初診時70×60mmの紅斑の中心に紅色小結節を2個認めた.症例1,2とも病理組織では好酸性の胞体をもつ異型細胞で構成され腺腔構造を形成し,断頭分泌像を認めた.症例1では免疫組織学的にGCDFP-15陽性,HER2陽性であった.2例とも全身検索にて転移源となる原発巣はなく皮膚原発のアポクリン腺癌と診断した.症例1は拡大切除およびリンパ節郭清後にカルボプラチン550mgとエピルビシン90mg,およびシクロホスファミド150mgとドキソルビシン70mgを用いた術後化学療法施行したが術後3年で永眠した.症例2は稀な胸部発生例であり,異所性アポクリン腺が胸部皮膚に存在していた可能性が示唆された.皮膚アポクリン腺癌でリンパ節転移をきたした症例は予後不良であり,術後化学療法の選択については今後の症例の集積を要すると考えられた.
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