Japanese
English
症例報告
Tailgut cystの1例
A case of tailgut cyst
梅田 直樹
1
,
秋本 成宏
1
,
森川 博文
1
Naoki UMEDA
1
,
Narihiro AKIMOTO
1
,
Hirofumi MORIKAWA
1
1広島県厚生農業協同組合連合会廣島総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, JA Hiroshima General Hospital, Hatsukaichi, Japan
キーワード:
tailgut cyst
,
尾腸囊胞
,
粉瘤
Keyword:
tailgut cyst
,
尾腸囊胞
,
粉瘤
pp.866-870
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204902
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要約 39歳,女性.初診2年前より臀部の皮下腫瘍を自覚するようになった.CTでは尾骨部皮下〜直腸後壁にかけて多房性囊胞性腫瘤を認めた.臨床像および仙骨部からの試験穿刺で粥状物が吸引できたため,粉瘤と考え,切除した.囊胞は深部では直腸後壁と接していた.病理組織学的には尾骨部皮下の囊胞壁は重層扁平上皮で裏打ちされ,粉瘤として矛盾しない所見であったが,直腸後壁と接していた部分は重層扁平上皮以外にも多列絨毛円柱上皮で裏打ちされており,tailgut cystと診断した.Tailgut cystは胎生期に消退するtailgut(尾腸)が遺残するために生じる囊胞性疾患であり,10%程度で悪性化するとされている.臨床的には粉瘤などとの鑑別が必要だが画像検査での診断は困難であり,臀部皮下腫瘤の鑑別疾患として皮膚科医として念頭に置く必要がある.
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