Japanese
English
症例報告
尖塔状に突出した下顎部の皮膚混合腫瘍の1例
A case of mixed tumor on the mandible protruding as a church-spire
浜野 真紀
1
,
山口 祐子
1
,
守 恵子
1
,
石川 武子
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
Maki HAMANO
1
,
Yuko YAMAGUCHI
1
,
Keiko MORI
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚混合腫瘍
,
尖塔状
,
透明感
Keyword:
皮膚混合腫瘍
,
尖塔状
,
透明感
pp.769-771
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103407
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要約 84歳,男性.約2年前から下顎部に自覚症状のない半米粒大の皮疹が出現し,徐々に増大してきた.現症は6×6×7mm大の淡紅色調を呈する光沢のある隆起性結節で,尖塔状に外方に突出し,弾性硬に触知された.頂部に透明感があり,表面に拡張した血管が透見された.病理学的に,粘液腫様物質の沈着を伴う豊富な間質内に,索状もしくは網目状に分岐吻合する大小の囊胞腺管構造が存在していた.管腔は2層の細胞で構成され,一部に断頭分泌を認めた.角質囊腫も存在していた.自験例は,尖塔状に突出したきわめて特異な臨床像を呈した.その原因は皮下組織の少ない下顎前面に浅在性に発症したためで,結節の頂部の透明感は粘液腫様物質の沈着を反映していたためと考えられた.
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