Japanese
English
症例報告
Chronic expanding hematomaの2例
Two cases of chronic expanding hematoma
金井 美馬
1
,
鈴木 利宏
1
,
塚田 鏡寿
1
,
林 周次郎
1
,
濱﨑 洋一郎
1
,
井川 健
1
Miuma KANAI
1
,
Toshihiro SUZUKI
1
,
Kyoju TSUKADA
1
,
Shujiro HAYASHI
1
,
Yoichiro HAMASAKI
1
,
Ken IGAWA
1
1獨協医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Dokkyo Medical University Hospital, Tochigi, Japan
キーワード:
chronic expanding hematoma
,
慢性拡張性血腫
,
軟部組織腫瘍
Keyword:
chronic expanding hematoma
,
慢性拡張性血腫
,
軟部組織腫瘍
pp.75-79
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206254
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要約 症例1:45歳,男性.糖尿病,慢性腎不全の既往があり,血液透析療法のため抗凝固薬が投与されていた.約3か月前より背部に腫瘤を自覚し,緩徐に増大した.症例2:79歳,男性.糖尿病,狭心症の既往があり,アスピリン,クロピトグレル硫酸塩を内服していた.約2か月前より右肩甲骨下部に腫瘤を自覚し,緩徐に増大した.両症例とも境界明瞭で弾性軟,可動性は不良であった.単純CT検査にて周囲に膜様の高吸収域を伴い,内部が不均一な皮下腫瘤を認めた.全身麻酔下に摘出し,分層植皮術を行った.病理組織所見では線維性被膜に覆われ,内部は赤血球が主要な成分であった.以上より,chronic expanding hematomaと診断した.自験例の発症には抗凝固薬や抗血小板薬投与が関与したと考えられた.本疾患が疑われる症例をみた場合,血液凝固系のデータや出血傾向をきたす薬剤の内服歴に注意する必要があると考えられた.
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