Japanese
English
臨床経験
軟部腫瘍が疑われた大腿,殿部のchronic expanding hematomaについて
Chronic Expanding Hematoma Suspected of Soft Tissue Tumor in the Thigh and the Buttock
岡田 恭司
1
,
佐藤 光三
1
,
大場 雅史
1
,
片岡 洋一
2
,
坪井 純
3
Kyoji Okada
1
1秋田大学医学部整形外科学教室
2中通病院整形外科
3男鹿市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Akita University School of Medicine
キーワード:
血腫
,
hematoma
,
慢性増大性血腫
,
chronic expanding hematoma
,
軟部腫瘍
,
soft tissue tumor
,
異物反応
,
foreign body reaction
Keyword:
血腫
,
hematoma
,
慢性増大性血腫
,
chronic expanding hematoma
,
軟部腫瘍
,
soft tissue tumor
,
異物反応
,
foreign body reaction
pp.1083-1089
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900947
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抄録:chronic expanding hematomaの3症例について報告した.外傷との関連性があり,初発症状はいずれも無痛性腫脹で,罹病期間が6カ月以上であった.局所所見として全例で腫瘤が,1例ではさらに波動が認められた.発生部位は2例が大腿部,1例が殿部で,病変の深さは筋膜上が2例,筋間が1例であった.単純X線では1例のみで石灰化がみられた.CTでは多房性の境界明瞭な嚢腫状腫瘤が描出され,病変の位置の把握にも有用であった.病理学的にはいずれも肉眼上厚い線維性被膜を有する嚢腫状病変で,内容物は1例が液状物,2例が変性壊死物であった.組織学的にはいずれも線維性被膜,肉芽組織層,凝固壊死物層の3層構造が観察され,肉芽組織層では無構造の好酸性物質の周囲で異物反応が認められた.この好酸性物質の一部はPTAH染色が陽性であった.軟部肉腫との鑑別が重要と考えられた.
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