Japanese
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特集 代謝異常症・沈着症
遺伝子解析により診断した多様性ポルフィリン症の1例
Variegate Porphyria Diagnosed by Genetic Analysis
浦野 聖子
1
,
宇佐神 治子
2
,
中野 創
3
,
戸倉 新樹
4
Shoko URANO
1
,
Haruko USAMI
2
,
Hajime NAKANO
3
,
Yoshiki TOKURA
4
1JA静岡厚生連遠州病院,皮膚科,副院長
2うさみクリニック,院長,浜松市
3弘前大学,皮膚科学教室,准教授
4浜松医科大学,皮膚科学教室,教授
キーワード:
多様性ポルフィリン症
,
プロトポルフィリノーゲン酸化酵素
Keyword:
多様性ポルフィリン症
,
プロトポルフィリノーゲン酸化酵素
pp.1345-1348
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000913
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31歳,女性。4年前から顔面および手背に,軽微な外力で,びらんや瘢痕,色素沈着を生じやすくなる。赤血球遊離プロトポルフィリン(PP)および尿中ウロポルフィリンは軽度高値,尿中コプロポルフィリン(CP)および糞便中のPP,CPⅠ,CPⅢ,イソコプロポルフィリンは高値を示した。病理組織学的所見で,真皮上層の毛細血管壁にPAS染色陽性物質の沈着を認めた。遺伝子検索でプロトポルフィリノーゲン酸化酵素遺伝子に2つのミスセンス変異を認め,1つは過去に報告のある病的変異であり,多様性ポルフィリン症と診断した。露光部にびらんや瘢痕,色素沈着を認める場合は,本症を想起し診療にあたることが重要である。
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