連載 救急医療研修─臨床研修必修化に伴う研修医の受け入れ体制をどうするか・3
スーパーローテート研修の救命救急センターにおける研修医受け入れ体制の現況と課題
鈴木 伸行
1
,
板津 武晴
2,3
,
柳 務
3
1名古屋第二赤十字病院救命救急センター救急部
2名古屋第二赤十字病院研修医教育委員会
3名古屋第二赤十字病院
pp.66-69
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100550
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名古屋第二赤十字病院の卒後研修システムは,従来よりスーパーローテートの単独型方式であり,病院の基本理念の一つである救命救急医療と高度先進医療の実践とが合致した形となっている.すなわち全科参加型の救命救急医療を軸としたプライマリケアおよび基本的臨床能力の習得を重点的に実践している.ここに当院救命救急センターの救急外来研修体制の現況を紹介し,臨床研修必須化を迎えるに当たっての課題を報告する.
名古屋大学卒後研修(名大方式)の歴史的背景
名古屋大学の卒後研修の歴史は,昭和40年代に学園紛争の一つの焦点であった“インターン闘争”に端を発し,昭和43年医師臨床研修制度が導入される中,昭和46年に医学部在学中の有志が集まり作成した,卒後研修プログラムにさかのぼる.以来数々の変遷を経て,30数年経ちいわゆる“名大方式”といわれる卒後臨床研修システムに至っている.その根幹は,①研修開始時には,どこの大学の教室にも属さないこと(非入局),②研修医が自主的に選択したローテート研修であること,③名古屋大学卒業生と他大学卒業生を平等に扱うことであり,そのコンセプトは今日でも貫かれていると言ってよい1).現在,名古屋大学の関連病院は70余りあるが,基本的な研修のプログラムはそれぞれの病院で,独自に多様な内容で発展してきている2).
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