Japanese
English
症例報告
特発性腰ヘルニアの1例
A case of idiopathic lumbar hernia
遠藤 幸紀
1
,
赤坂 俊英
1
Koki ENDO
1
,
Toshihide AKASAKA
1
1岩手医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Iwate Medical University,Morioka,Japan
キーワード:
特発性腰ヘルニア
,
解剖学的脆弱部位
,
上腰三角
,
下腰三角
,
脂肪組織
Keyword:
特発性腰ヘルニア
,
解剖学的脆弱部位
,
上腰三角
,
下腰三角
,
脂肪組織
pp.199-202
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103189
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要約 86歳,男性.初診時,右腰背部に8×6cmの表面常色,弾性軟の疼痛を伴う皮下腫瘤がみられた.皮下腫瘤は容易に徒手還納が可能であった.MRIにて右腎周囲の脂肪組織によるヘルニアであることを確認した.外科的修復を考慮したが,その矢先に腰椎圧迫骨折を発症し,腰椎コルセットを着用したところ,ヘルニア内容の脱出はなくなり,疼痛も消失した.腰ヘルニアの治療は外科的修復が原則で,最近では人工材料を用いたtension-free修復術が好成績をあげている.しかし,自験例は車椅子上かベッド上での生活であり,疼痛の訴えもなく,ヘルニア内容も脂肪組織であり,手術を施行せず保存的に経過を観察した.高齢化が進む現在,同様の特発性腰ヘルニアは増加するものと推測される.
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