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文献紹介 Clinically amyopathic dermatomyositis患者の主要自己抗原は,メラノーマ分化関連遺伝子5によりコードされるRNAヘリカーゼである
宮本 樹里亜
1
1慶應義塾大学
pp.40
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103159
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皮膚筋炎の臨床症状は多彩であり,皮膚,筋炎,肺合併症にわたる.典型的な皮疹を伴うが筋炎を伴わない亜型があり,これはclinically amyopathic dermatomyositis(C-ADM)と呼ばれる.C-ADM患者は特に東アジアでは急速進行性間質性肺炎(rapidly progressive interstitial lung disease:RP-ILD)を合併しやすく,免疫抑制剤による治療にも抵抗性で予後が悪い.筆者らは2005年に新しい皮膚筋炎の自己抗体である抗CADM140抗体を報告しており,この抗体はC-ADMとRP-ILDに強く関連している.
本研究ではcDNAクローニングと免疫沈降法により,抗CADM140抗体の対応抗原がmelanoma differentiation-associated gene 5(MDA-5)であることを突き止めた.MDA-5は分子量140kdで細胞質に局在する蛋白で,ウイルスに対する自然免疫に関連する細胞成長抑制因子であることがこれまでに知られている.全長のMDA-5 cDNAをCOS-7細胞にトランスフェクトして免疫沈降法を行ったところ,すべての抗CADM140抗体陽性血清で反応を認めた.
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