Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1999
2 皮膚疾患の病態
メラノーマにおけるHLA Class I抗原の発現
Expression of HLA Class I in melanoma cells
影下 登志郎
1
Toshiro KAGESHITA
1
1熊本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kumamoto University School of Medicine
キーワード:
HLA Class I allele
,
LMP/TAP
,
発現低下機序
,
メラノーマペプチド療法
Keyword:
HLA Class I allele
,
LMP/TAP
,
発現低下機序
,
メラノーマペプチド療法
pp.65-69
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902859
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HLA Class Iによるペプチドの提示機構や発現低下のメカニズムを解説した.さらに,メラノーマにおけるHLA Class I抗原発現異常を自験例を中心に文献的考察を行った.HLA Class I抗原発現低下はalleleに対する抗体で検討すると従来の報告よりも高頻度にみられた.発現低下はペプチドのプロセッシングや提示に重要であるLMPやTAP分子群発現と相関していた.臨床的には発現低下はメラノーマ原発巣の浸潤度,ステージさらにはCD 8陽性Tリンパ球浸潤や予後などの重要な因子と相関していた.T細胞を利用するワクチン療法を行う場合,メラノーマ細胞におけるこれらの発現を検討し,発現回復のためにサイトカインなどの併用療法を考慮する必要がある.
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