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文献紹介 転移性メラノーマに対するBRAF阻害剤の効果
松﨑 ひとみ
1
1慶應義塾大学
pp.365
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102874
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転移性メラノーマに対する有効な治療法はいまだに確立していない.メラノーマにおいてさまざまな遺伝子変異が報告されており,これらを治療標的とした研究が進められている.なかでもセリン・スレオニン蛋白キナーゼのBRAFをエンコードする遺伝子に40~60%で変異が認められ,その90%が600番目のアミノ酸がバリンからグルタミン酸に変化するV600E変異である.今回,筆者らはV600E変異を有するBRAFに対する強力な経口阻害剤であるPLX4032を転移性メラノーマ患者に投与し,その効果を調べた.
Dose-escalation phaseでは,200mg/日から内服量を増量し,ここで安全性の認められた960mg/日を投与量としたextension phaseを行った.Dose-escalation phaseに参加した55人の患者のうち49人(89%)は転移性メラノーマ,3人(5%)はV600E BRAF変異をもつ甲状腺乳頭癌患者であった.またExtension phaseでは,32人のV600E BRAF変異をもつ転移性メラノーマの患者が参加した.
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