Japanese
English
症例報告
急性腹症を生じた内臓播種性水痘・帯状疱疹ウイルス感染症の1例
A case of acute abdomen as an atypical manifestation of disseminated varicella-zoster virus infection
矢嶋 萌
1
,
松村 由美
1
,
一戸 辰夫
2
,
宮地 良樹
1
Moyu YAJIMA
1
,
Yumi MATSUMURA
1
,
Tatsuo ICHINOHE
2
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科
2京都大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科
1Department of Dermatology,Graduate School of Medicine,Kyoto University,Kyoto,Japan
2Department of Hematology and Oncology,Graduate School of Medicine,Kyoto University,Kyoto,Japan
キーワード:
内臓播種性水痘・帯状疱疹ウイルス感染症
,
造血幹細胞移植
,
急性腹症
,
免疫抑制
Keyword:
内臓播種性水痘・帯状疱疹ウイルス感染症
,
造血幹細胞移植
,
急性腹症
,
免疫抑制
pp.1005-1008
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103105
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要約 46歳,男性.皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫に対して2年半前に臍帯血幹細胞移植を受け,移植後2年間アシクロビルの予防内服を継続していたが半年前に中止していた.初診の2日前より37℃台の発熱があり,嘔気と軽度の心窩部痛を自覚した.当院血液内科初診時,心窩部に筋性防御を伴った圧痛を認めた.皮膚科に水痘の可能性について相談があり,右下腹部に水痘を思わせる丘疹を1個認めた.内臓播種性水痘・帯状疱疹ウイルス感染症を疑い,アシクロビルの投与を開始した.腹痛は著しく,モルヒネと塩酸ケタミンを要した.血中ウイルスDNA量が高値であることから水痘・帯状疱疹ウイルス感染症と確定診断した.移植後の水痘・帯状疱疹ウイルス回帰感染は重篤な割に皮疹が非典型的なことがあり,皮膚科医も知るべき疾患である.
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