Japanese
English
症例報告
頭部皮下腫瘤を契機に発見された肝細胞癌多発骨転移の1例
A case of multiple bone metastases of hepatocellular carcinoma diagnosed by head subcutaneous tumor
長島 真由美
1
,
藤村 奈緒
1
,
伊藤 彩
1
,
中村 和子
1
,
廣門 未知子
1
,
早川 広樹
2
,
池澤 善郎
3
,
蒲原 毅
1
Mayumi NAGASHIMA
1
,
Nao FUJIMURA
1
,
Sai ITO
1
,
Kazuko NAKAMURA
1
,
Michiko HIROKADO
1
,
Hiroki HAYAKAWA
2
,
Zenro IKEZAWA
3
,
Takeshi KAMBARA
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科
2早川皮フ科クリニック
3横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学
1Department of Dermatology,Yokohama City University Medical Center,Yokohama,Japan
2Hayakawa Dermatology Clinic,Yokohama,Japan
3Department of Environmental Immuno-Dermatology,Yokohama City University,Graduate School of Medicine,Yokohama,Japan
キーワード:
肝細胞癌
,
頭蓋骨転移
,
Hep Par1
Keyword:
肝細胞癌
,
頭蓋骨転移
,
Hep Par1
pp.895-898
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103077
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要約 58歳,男性.慢性C型肝炎の治療中に頭部に皮下腫瘤が生じ漸次増大した.初診時,右前頭部から側頭部にかけて径7cm大,弾性軟のドーム状に隆起した皮下腫瘤がみられた.頭部CT,MRIで,頭蓋骨から頭蓋内外に浸潤する骨破壊性の腫瘍性病変があった.皮膚生検では,細胞質に好酸性の顆粒状物質を有し異型の強い細胞が,索状,シート状の組織構造を呈して充実性に増殖していた.免疫組織染色で,肝細胞癌に特異的とされるHep Par1染色が陽性であった.CT,MRIにて肝臓内に多数の占拠性病変と胸椎,肋骨の転移が認められ,肝細胞癌多発骨転移と頭骸骨転移に伴う皮下腫瘤と診断した.肝細胞癌の頭蓋骨転移の頻度は稀である.しかし原発巣の特異的症状が初期に出にくく,転移巣が初発症状となることがある.頭部皮下腫瘤の鑑別すべき疾患の1つとして注意が必要と考えられた.
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