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Rinsho Hifuka Volume 61, Issue 11 （October 2007）

臨床皮膚科 61巻11号（2007年10月発行）

Japanese English

症例報告

タンポン使用を契機に発症したtoxic shock syndromeの1例 A case of toxic shock syndrome after use of vaginal tampons 山口哲司 ¹ , 星野洋良 ¹ , 林裕嘉 ¹ , 森布衣子 ¹ , 木花いづみ ¹ , 齋藤優 ² , 荻原通 ³ Tetsuji YAMAGUCHI ¹ , Hiroyoshi HOSHINO ¹ , Yuka HAYASHI ¹ , Nuiko MORI ¹ , Izumi KONOHANA ¹ , Suguru SAITO ² , Tohru OGIHARA ³ ¹平塚市民病院皮膚科 ²平塚市民病院産婦人科 ³平塚市民病院内科 ¹Division of Dermatology,Hiratsuka City Hospital,Hiratsuka,Japan ²Division of Obstetrics and Gynecology,Hiratsuka City Hospital,Hiratsuka,Japan ³Division of Internal Medicine,Hiratsuka City Hospital,Hiratsuka,Japan キーワード： toxic shock syndrome , タンポン , サイトカイン , 薬疹 Keyword: toxic shock syndrome , タンポン , サイトカイン , 薬疹 pp.891-894

発行日 2007年10月1日 Published Date 2007/10/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101786

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要約　34歳，女性．月経のためタンポン使用．4日目より発熱，全身に紅斑が出現した．5日目，薬疹の疑いで近医より転院搬送された際は血圧低下，意識混濁も認めた．toxic shock syndrome (TSS)を疑い，ただちに持続血液濾過透析を開始，抗生剤，IVIG投与を行った．腟内に感染徴候はなかったが腟培にて黄色ブドウ球菌を検出したため，腟洗浄も開始した．入院2日目より全身状態は著明に改善し，経過良好にて20日目退院した．検出された黄色ブドウ球菌はTSST-1，SE-C産生株であった．TSSは迅速な診断，治療の開始を要するが，薬疹との鑑別に苦慮する場合は詳細な問診，皮膚生検などが有用と考えた．また，当院での最近のTSS3症例について発症時の血清サイトカイン濃度を比較検討したところ，特にIL-6と重症度の相関が示唆された．