Japanese
English
症例報告
Calciphylaxisによる両下腿の巨大潰瘍の1例
A case of giant cutaneous ulcers on the lower legs due to calciphylaxis
安岡 英美
1
,
濱野 英明
1
,
松田 史雄
1
,
木花 光
1
,
青木 敏行
2
,
酒井 謙
2
Emi YASUOKA
1
,
Hideaki HAMANO
1
,
Fumio MATSUDA
1
,
Akira KONOHANA
1
,
Toshiyuki AOKI
2
,
Ken SAKAI
2
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院内科
1Department of Dermatology,Saiseikai Yokohamashi Nanbu Hospital,Yokohama,Japan
2Department of Internal Medicine,Saiseikai Yokohamashi Nanbu Hospital,Yokohama Japan
キーワード:
calciphylaxis
,
皮膚潰瘍
,
慢性腎不全
,
血液透析
,
二次性副甲状腺機能亢進症
Keyword:
calciphylaxis
,
皮膚潰瘍
,
慢性腎不全
,
血液透析
,
二次性副甲状腺機能亢進症
pp.401-404
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102327
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要約 68歳,女性.5年前より糖尿病性腎不全に対し,血液透析中である.両下腿に疼痛を伴う腫脹が出現し,その後,急速に黒色壊死,全周性潰瘍へ変化した.皮膚生検にて皮下組織の中小の血管,さらに脂肪小葉の毛細血管にまで壁の著明な石灰化を認めた.CTでは気管支軟骨,冠動脈,僧帽弁などにも石灰化がみられた.血液検査上,慢性腎不全に伴う二次性副甲状腺機能亢進症を呈していた.血清Ca,Pの補正や感染コントロールを試みるも潰瘍は拡大し,入院4か月後に敗血症にて死亡した.calciphylaxisはひとたび発症すると生命予後が悪く,慢性腎不全患者の急速に拡大する疼痛性潰瘍をみた際は本症も鑑別診断の1つに入れるべきであると考えた.長期透析患者の増加に伴い,本症の今後の増加が懸念される.
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